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何だか不調で・・・<30代 女性>
彼女は30代後半のキャリアウーマン。
でも最近とても疲れている。仕事が上手くいかない。
なぜか確実だと思っていた仕事の予定が、ことごとく変ってしまうという状態が続いていた。
「どうしても今年中に結果を出したいんです」
マンションの一室。昇進にやっきになって、そう訴える彼女を前に私はカードをシャッフルして、一枚ずつ並べていった。
そして長く連なったカードを表に返していくと・・・あまり良くない。人間関係で滞っている感じがする。
彼女には大いにやる気があるのだが、周囲の人間が思ったように動かないという流れが見える。
しかも「ソードの7」からは裏切りの香りがする。
とはいえ彼女を陥れようとする動きがあるわけではないだろう。
つまり相手は彼女に迷惑がかかるのをわかっていながら彼女に協力しない、あるいはできないという状態になるのだろうと思えた。
「正直に言って、なかなか思い通りにことは進みませんね」
「そうなんですか」
じっとカードを見つめていた彼女が顔を上げ、私に強い視線を送ってきた。
「何が悪いんでしょうか」
「あなた自身のやる気とか、能力面に問題があるという感じじゃありませんね。でも人間関係が良くない」
「確かに私の下についている人には、いろんな人がいるけれど・・・」
「そうみたいですね。ここで気になるのはこのカップのクイーン(逆)なんですけど、これって女性ですよね。きっとあなたの部下の女性に問題があると思うんですよね」
「女性が多い職場です」
「その中でも、頑張ろうとしているけど何か波に乗れない人。それなりの年齢で家庭のある人かな」
「あ、確かにそんな人がいます」
「その人、家庭に問題が出てくるのかな。プライベートなところ、仕事とは直接関係ないところで障害がありますね」
「どうしたらいいんでしょう」
「これはね・・・どうにも他人の事情ですし防ぎようがないってところなんですけど、あえて言えば、その人が働かなくても何とかできるように体制を作ることでしょうね」
「でも、働いてもらわないと、どうにもなりません」
「そこはね、難しいですよね」
私はカードの流れを見た。ワンドのナイト、ワンドのクイーン(逆)、法皇、ソードの10という流れからは、その人が流れに翻弄され、自分ではどうしようもなくなって、大きな権威にすがるという様子が見える。
悲しみも伴っている。どうにも強い流れのようだ。
「これは防ぐのは難しいです。きっとそうならなければならないものがあるんだと思えますね。今後のためにもこれはあえて受ける試練だと考えて、前向きに対処しなければいけないですね」
「じゃあ、今年中に結果は出ない・・と」
「たぶんそうでしょう」
彼女は無言になってしまった。でもこれはひとつには、その問題に対し、あまりにも彼女が近視眼的になっていることを諫めるための流れだとも思えるのだ。
端で見ても息苦しいほど彼女の気持ちは強い。
少し休息を取る必要があるのだが、そう言っても彼女は聞き入れないだろう。
「そんなに入れ込んではいけない」という啓示かもしれないと私は思った。
ところで私はその他のカード、カップのナイト、カップのエース、女教皇が気になっていた。
「話は変わりますが、恋愛面に関して問題はありませんか」
「えっ」
あきらかに彼女の表情が変わった。
「相手はいるんだけど、上手くいっていないって感じますけど」
言おうかどうかしばらく迷ったようだったが、やがて彼女は口を開いた。
「実は・・・そうなんです」
聞けば、「惹かれている相手がいる。でもお互い家庭があり、気持ちは通じ合っていると思うが、実際に深入りするのが怖い気がしている」ということだった。
彼女の余裕の無さは、実は仕事だけじゃなく、そういう方面からの事情もあったのだとわかった。
話すと彼女も自身の不安定な精神状態を認めた。
「じゃあしばらくは、このままの状態なんでしょうか」
「少なくとも今すぐにどうこうして解決を図るというより、まずは冷静になって事態を自分で把握することですね。あまりにも入れ込みすぎて、先が見えなくなっています。できれば旅行などされるといいと思うんですけどね」
「近く、仕事で遠くへ行きます」
「そうですか。では、そこで少しでも、違う空気の中で自分の気持ちを見つめ直してください。そうすれば事態が変わるというより、前向きなエネルギーが出てきます」
「そうですか」
「あなたの今回の問題は、人生の行方を左右するような、そんな重大なものじゃありません。でもあなたはそう思ってしまっている。そこの認識を改めることから始めなければいけないと思いますよ」
それからしばらく話をした後、私はマンションを出た。
もともとエネルギーのある彼女のことだから、方向性さえ間違わなければ、問題も難なく乗り越えられるはずなのだ。
「占いによって何かヒントを得てくれたのなら」と、願わずにはいられなかった。 |